
雪道のスリップ、突然の立ち往生、体力を奪う雪かきー冬の道路と向き合う雪国生活には特有のリスクがあります。しかし、要点を押さえた準備と行動で多くのトラブルは未然に防げます。このコラムでは運転・除雪・メンテナンス・保険の四領域に分け、具体策を網羅的に整理しました!
雪国で直面する3大リスク
①路面凍結と視界不良:ブラックアイスバーンは濡れた路面に見えても氷の膜です。橋の上、日陰のカーブ、トンネル出入口は特に危険です。
②立ち往生とCO中毒:排気口が雪でふさがると16分で400ppmの一酸化炭素が車内に充満する恐れがあります。
③除雪作業中の事故:転倒骨折、屋根からの転落、落雪被害が毎年報告されています。
【運転編】雪道を制する装備と技術
必携アイテム
・スタッドレスタイヤ:氷点下でも柔らかさを保つゴムとサイプで制動距離を大幅短縮します。
・タイヤチェーン:急坂やチェーン規制区間で威力発揮。金属=強力なグリップ力を発揮、非金属=装着が容易、布=携帯性を重視。購入後は必ず装着練習をしましょう。
・視界確保セット:スノーワイパー、解氷スプレー、-30℃対応ウォッシャー液は必須です。
・スノーブラシ&スコップ:伸縮式ブラシで屋根→窓→ボディの順に雪下ろししましょう。車載用コンパクトスコップはスタック脱出に有効です。
・緊急用ラダー、ブースターケーブル、防寒具、非常食、携帯トイレ、モバイルバッテリーも忘れずに携帯しましょう。
出発前の5習慣
①車全体とマフラー周辺の雪下ろし、窓の解氷
②燃料は常に半分以上にし、長距離前は満タン給油
③天気や道路情報を公式サイトで直前にも確認
④靴底の雪と氷を徹底除去してペダル滑りを防止
⑤通常+30分の余裕ある行動
操作の鉄則「急」の禁止
発進はクリープ+微アクセル、可能なら2速発進を活用してください。ブレーキは早めのエンジンブレーキと予備制動でABS作動を回避しましょう。路面状況や天候に合わせて車間距離を十分に確保し、視認性が悪い時はさらに拡大します。轍を越える際はハンドルを切り過ぎず低速での運転を心掛けてください。ホワイトアウト時はハザード点灯→安全帯へ退避→マフラー除雪と換気を徹底しましょう。
駐車時の3ポイント
①ワイパーを立てて凍結防止と翌朝の雪下ろし効率化
②サイドブレーキは凍結リスクがあるため使わずATはP、MTは1速orR+輪止めを併用
③屋根からの落雪や除雪車の雪壁を避け、吹きだまりになりにくい場所に停車
【除雪作業編】効率と安全を両立
車の雪下ろし
エンジンを始動しデフロスターとリアデフォッガーでガラスを温めてからスタート。屋根→窓→ボンネット→ライトの順で、ブラシは塗装面をなでるだけに留めます。凍り付いた部分は無理にこすらず、暖気で自然に緩めてから除去してください。
腰に優しい雪かき
作業前ストレッチで腰と肩を伸ばし、身長に合う軽量工具を選択しましょう。膝を曲げて少量ずつ運搬し、凍結面ではスパイク付き長靴の使用が好ましいです。
屋根の雪下ろし安全策
安全のため、命綱とヘルメットは必須です。二人体制で地上に監視役を配置し、はしごはしっかりと固定しましょう。積雪状況や住宅の構造によっては危険な作業となるため、ご自身での雪下ろしに少しでも不安を感じたら、専門業者への依頼を検討するほうが安全です。
【トラブル対処編】もしもに強く

スタック脱出
①スコップで駆動輪前後を広く除雪
② DとRを交互に入れ「ロッキング」
③ ラダーやマットでグリップ追加
④ 最終手段として空気圧を一時的に下げ、脱出後すぐ補充(パンクリスクあり)
冬季トラブルの予防
・バッテリー:~3年を目安に点検。ジャンプスターターを常備しましょう。
・ドア凍結:解氷スプレー+ウェザーストリップにシリコン塗布をしましょう。
・ウォッシャー液凍結:氷点下対応品への交換がオススメです。
・軽油凍結:地域や季節に適合した寒冷地軽油(3号や特3号など)を選択しましょう。
【車選び・メンテ編】基礎体力を高める
雪道に強い車の条件
4WD+高めの最低地上高を備えたSUVやクロスオーバーは深雪に強く、電子制御で横滑り防止機能を持つ車種ならさらに安心です。FF車は軽量さと燃費で優れ、都市部中心の生活なら現実的な選択肢ですが、急坂や未除雪路を頻繁に走るなら4WDを推奨します。
冬前メンテチェック✔
・スタッドレスタイヤ装着と適正空気圧
・バッテリー性能診断
・冷却水濃度と量
・冬用ワイパーと解氷ウォッシャー液
・下回り洗浄と防錆処理
これらを整備工場で総点検すると、真冬の出費と時間ロスを大幅に削減できます。
保険とロードサービス
車両保険の有無と補償範囲(自損・落雪・水害)を確認してください。ロードサービス特約がスタック救援や牽引、バッテリージャンプに対応しているかも要チェックです。等級ダウンを防ぐため、少額修理は自腹で済ませるか、免責金額を設定する工夫も有効です。
おわりに
スタッドレスタイヤ、視界確保、雪かきの正しい姿勢、屋根雪下ろしの安全帯ーこれらはすべて命を守る知識と道具です。準備・運転・作業・メンテナンス・保険の五つを総合的に整えれば、雪国の冬は恐れるものではなくなります。今年こそ立ち往生や事故と無縁のシーズンにし、白銀の世界を安心して楽しんでください。
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