この記事は、キーパーコーティングの施工資格を持つENEOSモビリニアの専門スタッフが監修しています。

「愛車に奮発してコーティングを施したから、これからの洗車は水だけで楽になるはず!」 多くのお客様がそう期待されますし、実際にその通り、コーティングは日々のカーケアを劇的に楽にしてくれます。
しかし、その効果を最大限に引き出し、長く維持するためには、コーティングの特性を正しく理解した上での洗車が不可欠です。「本当に水洗いだけでいいの?」「シャンプーは必要?」「洗車機に入れても大丈夫?」といった、お客様からよくいただく質問に、コーティングのプロがお答えします。

1. なぜコーティング後も洗車が必要なのか?【基本の考え方】
まず理解しておきたいのは、ボディコーティングは「汚れを完全に防ぐ魔法のバリア」ではなく、**「汚れの固着を防ぎ、簡単に落とせるようにする強力な鎧」**だということです。
コーティング被膜が塗装面を守っているため、走行中に付着する砂埃、花粉、雨染みなどの汚れが塗装に直接ダメージを与えるのを防ぎます。しかし、その汚れを長期間放置すれば、コーティング被膜の上で固着し、水垢やシミの原因となってしまいます。
美しい状態を維持し、コーティング本来の性能を長持ちさせるためにも、定期的な洗車は欠かせません。
推奨される洗車頻度の目安
車の保管状況や走行距離によって最適な頻度は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 屋外駐車・毎日運転する場合: 2週間に1回程度
- 屋内駐車・週末のみ運転する場合: 1ヶ月に1回程度
鳥のフンや虫の死骸、樹液などが付着した場合は、酸性の成分がコーティングを傷める可能性があるため、頻度に関わらず、気づき次第すぐに洗い流すのが鉄則です。
2. 「水洗いだけ」でOKな場合と「シャンプー洗車」が必要な場合
コーティング車の洗車は、汚れの種類によって洗い方を見極めるのがプロのテクニックです。
基本は「たっぷりの水を使った優しい手洗い」で十分
コーティング施工車の最大のメリットは、防汚性の高さにあります。表面に付着した砂やホコリなどの軽い汚れは、たっぷりの水をかけて洗い流すだけでほとんど落とすことができます。
ゴシゴシこする必要がないため、洗車傷のリスクを最小限に抑えられるのが水洗い洗車の利点です。
【プロの見極めポイント】こんな汚れはシャンプーを使いましょう
水洗いだけでは落ちにくい、以下のような汚れが付着した場合はカーシャンプーの出番です。
- 油性の汚れ: 道路のアスファルトから跳ねるピッチ・タール、排気ガスに含まれる油分など。
- 落ちにくい汚れ: 花粉や黄砂(粘着性があるため)、乾いてしまった鳥のフンや虫の死骸の跡。
- 雨上がりのシミ: 雨水が蒸発した後に残るミネラル分の輪ジミ(イオンデポジット)。
これらの汚れは、シャンプーの洗浄成分で浮かせて落とすのが最も効率的で、車にも優しい方法です。
【シャンプー選びの鉄則】 必ず**「中性」で「コンパウンド(研磨剤)を含まない」カーシャンプー**を選んでください。アルカリ性や酸性の強いシャンプー、研磨剤入りのものは、コーティング被膜を傷め、性能を低下させる原因となります。
3. コーティング車で「洗車機」は使っても大丈夫?
結論から言うと、「最新の優しいブラシを使った洗車機であれば、基本的には問題ありません。しかし、最も安心なのは手洗いです」というのがプロとしての見解です。
ガラスコーティングは非常に硬い被膜を形成するため、洗車機のブラシで簡単に剥がれることはありません。しかし、洗車機によってはコーティングに細かい傷(洗車傷)をつけ、ツヤを損なうリスクがゼロではありません。
もし洗車機を利用する場合は、以下の点を必ず守りましょう。
- ブラシの種類を確認: 硬いナイロンブラシの洗車機は避け、「スポンジブラシ」や「布(ムートン)ブラシ」など、柔らかい素材を使用した洗車機を選びましょう。
- コース選択は慎重に: 「シャンプー洗車」または「水洗い洗車」のシンプルなコースを選択してください。「ワックス洗車」や「撥水コート」などのオプションは、コーティングの性能を妨げる可能性があるため不要です。
- 洗車後の拭き上げは自分で行う: 洗車機のエアブローだけでは水滴が残り、シミの原因になります。必ず清潔なマイクロファイバークロスで優しく拭き上げてください。
4. コーティング効果を長持ちさせる!洗車時の重要注意点
最後に、コーティング被膜を最高の状態で維持するための、特に重要な注意点を3つお伝えします。
① 【最重要】施工後1ヶ月は「完全硬化期間」です
コーティングは施工後、時間をかけて空気中の水分と反応しながら完全に硬化します。この期間は、被膜がまだデリケートな状態です。施工後1ヶ月程度は、洗車機の使用は避け、優しい水洗いのみに留めてください。施工店から特別な指示があった場合は、それに従いましょう。
② 水滴の自然乾燥は絶対に避ける
水道水に含まれるカルキやミネラル分は、水分が蒸発すると白い輪ジミ(イオンデポジット)としてボディに残ります。これを放置すると、コーティング被膜に固着して簡単には取れなくなってしまいます。洗車後は、水滴が乾く前に、必ず吸水性の高いマイクロファイバークロスで優しく拭き上げてください。
③ 炎天下での洗車はNG
ボディが熱い状態で洗車をすると、かけた水やシャンプーがすぐに蒸発してしまい、深刻なシミの原因になります。洗車は日差しが弱い朝方や夕方、あるいは曇りの日に行うのが理想です。
まとめ:正しい洗車がコーティングの価値を最大限に引き出す
コーティングを施工した愛車は、正しいケアを行うことで、その輝きと保護性能を長期間にわたって維持できます。
- 洗車は2週間~1ヶ月に1回が目安。汚れに気づいたら早めに洗うのが鉄則。
- 普段は優しい水洗い、油汚れや頑固な汚れには中性シャンプーを活用する。
- 洗車機はブラシの種類とコースを選べば利用可能だが、手洗いが最も安心。
- 「施工後1ヶ月の安静期間」「水滴の拭き上げ」「炎天下を避ける」の3点を徹底する。
日々の洗車で判断に迷ったり、ご自身で落とせない汚れが付いてしまったりした際は、決して無理をせず、私たちプロにご相談ください。 エネオスモビリニアのガソリンスタンドでは、コーティング車に最適な手洗い洗車サービスをご提供しています。もちろん、キーパーコーティングの新規施工やメンテナンスも承っておりますので、お気軽にお声がけください。
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