監修:ENEOSモビリニアリテールサポート
自動車整備士資格保有者による専門的な観点から、災害時の自動車対策について解説しています。
南海トラフ地震は、今後30年以内に70~80%の確率で発生すると予測されている巨大地震です。この地震が発生した際、私たちの生活に欠かせない自動車にも大きな影響が及ぶことが予想されます。本記事では、南海トラフ地震に備える自動車の対策について、専門的な観点から詳しく解説いたします。

※引用:内閣府発表情報2025年7月
南海トラフ地震が自動車に与える影響
南海トラフ地震は、静岡県から宮崎県にかけての太平洋沿岸地域を中心に、マグニチュード8~9クラスの巨大地震として想定されています。この規模の地震が発生した場合、自動車や交通インフラに以下のような深刻な影響が予想されます。

道路・交通インフラへの被害
- 高速道路や一般道路の路面損傷、橋梁の崩落
- トンネルの閉塞や信号機の停止
- ガソリンスタンドの営業停止
- 大規模な交通渋滞と避難車両の集中
車両への直接的影響
- 駐車場での車両損傷(落下物、建物倒壊)
- 液状化による地盤沈下での車両埋没
- 津波による車両の流失・水没
- 長期間の使用不能状態
重要:南海トラフ地震では、津波到達時間が極めて短い地域があります。沿岸部では地震発生から数分で津波が到達する可能性があるため、車での避難が適切でない場合もあることを理解しておきましょう。
南海トラフ地震に備える自動車対策の基本
南海トラフ地震に備える自動車の対策は、「事前準備」「緊急時対応」「復旧支援」の3つの段階に分けて考える必要があります。それぞれの段階で適切な備えを行うことで、災害時の安全確保と早期復旧が可能になります。
1. 緊急用品の車載
災害時に必要な緊急用品を常時車内に備えておくことは、南海トラフ地震対策の基本です。以下のアイテムを車内に常備することを強く推奨します。
必須の車載緊急用品リスト:
- 飲料水:1人あたり3日分(1日3リットル目安)
- 非常食:缶詰、レトルト食品、栄養補助食品など
- 医薬品:救急箱、常備薬、消毒液
- 防寒・防暑用品:毛布、カイロ、冷却シート
- 照明器具:懐中電灯、電池、手回し発電ラジオ
- 通信機器:携帯電話充電器、モバイルバッテリー
- 工具類:多機能ナイフ、ロープ、軍手

2. 燃料管理の重要性
南海トラフ地震発生時には、ガソリンスタンドの営業停止や燃料供給の途絶が長期間続く可能性があります。普段から燃料残量を半分以上に保つ「半タン運用」を心がけ、災害時の移動手段を確保しましょう。
3. 避難経路の事前確認
自宅、職場、よく利用する施設から最寄りの避難場所までの複数のルートを事前に確認し、実際に走行して所要時間や道路状況を把握しておくことが重要です。特に津波浸水想定区域にお住まいの方は、高台への避難ルートを優先的に確認してください。
車両点検・メンテナンスによる災害対策
南海トラフ地震に備える上で、車両の日常的な点検・メンテナンスは極めて重要です。災害時に車が正常に動作することは、避難や救援活動において生命に関わる問題となります。
災害対策のための重点点検項目
エンジン・動力系統
- エンジンオイル:適正レベルの維持と定期交換
- 冷却水:不足やリーク箇所の確認
- バッテリー:電圧チェックと端子の清掃
- 燃料系統:フィルターの状態と燃料ポンプの動作確認
足回り・制動系統
- タイヤ:空気圧、溝の深さ、亀裂の有無
- ブレーキ:パッドの厚み、ブレーキ液の量と色
- サスペンション:ショックアブソーバーの漏れや異音
- ステアリング:操舵の重さや遊びの確認
電装系統
- ヘッドライト・テールライト:球切れや曇りの確認
- ワイパー:ブレードの状態とウォッシャー液の補充
- 電装品:エアコン、カーナビ、ETCの動作確認
ENEOSモビリニアで車両の安全点検
ENEOSモビリニアでは、安全を考慮した総合的な車両点検サービスを提供しています。経験豊富な整備士が、お客様の愛車を災害に備えた最適な状態に整備いたします。
WEB予約で便利にご利用いただけます
https://www.yoyaku.eneos-mobilineer.com
南海トラフ地震発生時の緊急対応
南海トラフ地震が実際に発生した際の適切な対応方法を理解しておくことは、自身と家族の安全を守るために不可欠です。運転中、駐車中それぞれの状況に応じた対応を詳しく解説します。
運転中に地震が発生した場合の対応
immediate対応手順:
- 急ブレーキは避ける:ハザードランプを点灯し、徐々に減速
- 安全な場所に停車:道路の左側、できれば空き地や駐車場
- エンジンを停止:キーは付けたままにして、ドアはロックしない
- 情報収集:カーラジオで地震・津波情報を確認
- 避難判断:津波警報発令時は車を放置して高台へ避難
駐車中・自宅にいる場合の対応
地震発生時に車が駐車場にある場合は、まず自身の安全を確保した後、以下の手順で車両の安全確認を行います。
- 車両周辺の安全確認(落下物、地面の亀裂等)
- 車体外観の損傷チェック
- エンジン始動と各種機能の動作確認
- 避難に使用する場合の燃料残量確認
津波警報発令時の注意点
南海トラフ地震では、太平洋沿岸地域で巨大津波の発生が予想されます。津波警報が発令された場合の対応について、特に注意すべき点をまとめました。

津波避難時の重要な判断基準:
- 徒歩避難が原則:津波避難は徒歩が基本です
- 車での避難が有効な場合:高台まで徒歩で20分以上かかる、高齢者や身体障害者がいる
- 渋滞リスクを考慮:多くの人が車で避難すると道路が渋滞し、避難が困難になる可能性
- 車を放置する勇気:津波が迫っている場合は車を放置して高台に避難
愛車の災害対策セルフチェックポイント
南海トラフ地震に備えて、日頃からご自身で愛車の状態をチェックすることが重要です。以下のセルフチェックポイントを参考に、定期的に車両の状態を確認してください。
日常的なセルフチェック項目
災害時に車が正常に動作するために、普段から以下の項目を定期的にチェックしましょう。専門的な点検が必要な場合は、お近くの整備工場にご相談ください。
セルフチェックリスト:
- 燃料残量:常に半分以上を保つ「半タン運用」を心がける
- タイヤの状態:空気圧、溝の深さ、亀裂の有無を目視確認
- ライト類:ヘッドライト、テールライト、ウインカーの点灯確認
- 緊急用品:車載されている緊急用品の有無と状態確認
- バッテリー:エンジンのかかり具合で異常がないかチェック
- ワイパー:ブレードの状態とウォッシャー液の残量確認
月1回の詳細チェック
月に1回程度は、より詳細なチェックを行い、愛車の状態を把握しておきましょう。異常を発見した場合は、専門の整備士に相談することをお勧めします。
プロの点検で安心をプラス
セルフチェックに加えて、定期的な専門点検を受けることで、より確実な災害対策が可能になります。ENEOSモビリニアでは、経験豊富な整備士による総合的な車両点検サービスを提供しています。
WEB予約で便利にご利用いただけます
お近くのENEOSモビリニア店舗での車両点検をWEBから簡単にご予約いただけます。
予約はこちらから→https://www.yoyaku.eneos-mobilineer.com
まとめ:南海トラフ地震への備えは今から
南海トラフ地震に備える自動車対策は、単なる車両整備にとどまらず、災害時における生命と財産を守るための重要な備えです。本記事でご紹介した対策を参考に、以下のポイントを再確認してください。
南海トラフ地震対策のまとめ:
- 緊急用品の車載:水、食料、医薬品、通信機器等を常備
- 定期的な車両点検:ENEOSモビリニアでの専門的な点検を受ける
- 燃料管理:半タン運用で常に燃料を確保
- 避難経路の確認:複数のルートを事前に把握
- 緊急時対応の理解:運転中、駐車中それぞれの適切な対応方法を習得
- 専門サービスの活用:ENEOSモビリニアの災害対策サービスを利用
南海トラフ地震は必ず発生すると予想されている災害です。「備えあれば憂いなし」の精神で、今日から具体的な対策を始めましょう。ENEOSモビリニアは、お客様の安全と安心のパートナーとして、専門的な知識と技術でサポートいたします。
災害は突然やってきます。愛車の点検と災害対策は、ぜひお早めにENEOSモビリニアにご相談ください。WEB予約システムを活用して、便利で確実な備えを整えていただけます。
記事監修者情報
ENEOSモビリニア リテールサポート部
自動車整備士資格保有者複数名による監修
災害対策車両整備の専門知識と豊富な実務経験に基づく情報提供
※本記事の情報は2025年9月時点のものです。最新の防災情報については、気象庁や各自治体の公式発表をご確認ください。
※車両の状態や使用環境により、推奨する対策内容が異なる場合があります。