この記事の監修者:ENEOSモビリニア リテールサポートマーケティング担当 (自動車保険有資格スタッフ / 国家資格整備士/WEB解析アナリスト) ENEOSグループの一員として、給油から整備、保険のご相談まで、お客様のカーライフをトータルでサポートする「ENEOSモビリニア」。本記事は、事故対応の経験も豊富な現場のプロフェッショナルが監修しています。

「あれ、エンジンがかからない…」 ドライブ先での突然のエンジントラブル。そのほとんどの原因が「バッテリー上がり」です。JAFの出動理由でも、バッテリートラブルは長年1位を占めており、誰にでも起こりうる身近な問題です。
この記事では、国家資格を持つプロの整備士が、バッテリー上がりの本当の原因と、いざという時にご自身で安全に対処できる方法、そしてバッテリーの寿命を最大限に延ばす予防策まで、徹底的に解説します。
もう突然のトラブルで慌てる必要はありません。この記事を読めば、安心してカーライフを楽しめる知識が身につきます。
この記事で解決できること
- なぜバッテリーが上がるのか、根本的な原因がわかる
- JAFを呼ぶ前に、自分で安全にできる対処法がわかる
- 車種別(ハイブリッド車・アイドリングストップ車)の注意点がわかる
- バッテリーの寿命を延ばし、無駄な出費を抑える方法がわかる
1. なぜ?バッテリー上がりの5つの主な原因
バッテリー上がりは、バッテリーの「充電量」より「放電量」が多くなったときに発生します。具体的にどのようなケースで起こるのか、よくある5つの原因を見ていきましょう。
原因 | 具体例と解説 |
① ライト類の消し忘れ | エンジン停止中にヘッドライトや室内灯をつけっぱなしにすると、数時間でバッテリーが上がることがあります。最近の車はオートライト機能がありますが、手動でつけた場合は注意が必要です。 |
② 短距離走行の繰り返し | エンジン始動時には、セルモーターを回すために大量の電力を消費します。走行することで充電されますが、5分~10分程度のチョイ乗りでは消費した電力分を十分に充電できず、徐々にバッテリー残量が減っていきます。 |
③ バッテリーの寿命 | バッテリーは消耗品です。一般的な寿命は2~5年と言われていますが、使用状況により大きく異なります。寿命が近づくと、電気を蓄える力が弱まり、上がりやすくなります。 |
④ 車に乗る頻度が低い | 車はエンジンを停止していても、カーナビのバックアップやセキュリティシステムなどで常に微量の電気(暗電流)を消費しています。1ヶ月以上乗らないと、自然放電と暗電流でバッテリーが上がってしまうことがあります。 |
⑤ 気温の低下(特に冬場) | バッテリー内部の化学反応は、温度が低いと鈍くなります。そのため、冬場はバッテリーの性能が一時的に低下し、夏場なら問題なくかかっていたエンジンがかからなくなることがあります。 |
2. 落ち着いて対処!バッテリー上がりの3つの解決策
実際にバッテリーが上がってしまった場合、パニックにならず、状況に合わせて最適な対処法を選びましょう。
対処法①:ブースターケーブルで救援してもらう

他の車(救援車)から電気を分けてもらう、最も一般的な方法です。ただし、手順を間違えると車両のコンピューターが故障する危険性があるため、必ず正しい手順で行ってください。
【重要】ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、救援車になれない場合がほとんどです。必ずガソリン車の救援車を探してください。
安全な接続手順(図解)
- 両方の車のエンジンを切り、バッテリーの位置を確認します。
- 赤いケーブル(+)を、上がった車のバッテリーのプラス端子に接続します。
- 赤いケーブル(+)のもう一方を、救援車のバッテリーのプラス端子に接続します。
- 黒いケーブル(-)を、救援車のバッテリーのマイナス端子に接続します。
- **黒いケーブル(-)のもう一方を、上がった車のエンジン本体の金属部分(エンジンブロックなど)**に接続します。※マイナス端子に直接繋ぐと火花が散る危険性があります。
- 救援車のエンジンを始動し、数分間アイドリングさせます。
- 上がった車のエンジンを始動します。
- エンジンがかかったら、接続した時と逆の順番(⑤→④→③→②)でケーブルを外します。
エンジン始動後は、最低でも30分以上は走行し、バッテリーを充電しましょう。
対処法②:ジャンプスターターを使う
携帯用の小型バッテリーで、救援車がいない場所でも一人でエンジンを始動できます。もしものためにお守りとして車に常備しておくと、非常に心強いアイテムです。
使用手順
- ジャンプスターターのケーブルを、上がった車のバッテリー端子に接続します(赤が+、黒が-)。
- ジャンプスターター本体の電源を入れます。
- 車のエンジンを始動します。
- エンジンがかかったら、ジャンプスターターのケーブルを外します。
対処法③:プロ(ロードサービス)を呼ぶ
「自分で作業するのは不安」「救援車がいない」という場合は、迷わずプロに依頼しましょう。
- JAF: 会員であれば無料で対応してくれます。非会員でも料金を支払えば利用可能です。(2025年9月時点の目安:13,130円~)
- 自動車保険の付帯サービス: ご加入の自動車保険にロードサービスが付帯している場合が多く、無料で対応してくれるケースがほとんどです。一度、ご自身の保険証券を確認してみてください。
- ENEOSモビリニア: お近くのサービスステーションから救援に駆けつけ、バッテリーの点検・交換までその場で対応可能な場合もあります。
3. プロが実践する!バッテリー上がりを未然に防ぐ3つの習慣
トラブルを避ける最善の方法は、日頃からの予防です。以下の3つを心がけるだけで、バッテリー上がりのリスクを大幅に減らせます。
- 【最重要】2年に1度はプロによる点検を受ける 専用のテスターを使えば、バッテリーの健康状態(CCA値など)を正確に診断できます。「最近エンジンのかかりが悪いな」と感じたら、寿命が近いサインです。 **ENEOSモビリニアでは、給油のついでに無料でバッテリーの専門チェックを実施しています。**お気軽にお声がけください。
- 週末は30分以上のドライブを心がける 普段チョイ乗りが多い方は、意識的に走行時間を確保しましょう。高速道路などを一定の速度で走ると、効率的に充電できます。
- アイドリングストップ(ISS)車の特性を理解する アイドリングストップ車は、頻繁なエンジン再始動に耐えるため、高性能な専用バッテリーを搭載しています。このバッテリーが劣化すると、アイドリングストップ機能が作動しなくなったり、燃費が悪化したりします。交換費用も高価なため、特に定期的な点検が重要です。
まとめ:バッテリーの不安を解消して、快適なドライブを!
バッテリー上がりは、日頃の少しの心がけで防げるトラブルです。そして、万が一の時も、正しい知識があれば慌てずに対処できます。
この記事でご紹介した内容を参考に、ご自身の愛車のバッテリー状態を一度確認してみてはいかがでしょうか。
ENEOSモビリニアでは、無料のバッテリー点検から、最新のアイドリングストップ車用バッテリーの交換、緊急時のロードサービスのご案内まで、カーライフの「困った」をトータルでサポートいたします。バッテリーに関するご相談は、お近くのENEOSモビリニアまでお気軽にお問い合わせください。
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