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2025.10.04

自動車保険

【保険のプロ直伝】車の事故後の賢い保険活用法!知っておくべき5つの重要事項

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はじめに:万が一の事故でも慌てないために知っておきたいこと

交通事故 対応

通勤中に軽い接触事故を起こしてしまったり、慣れない道で不注意からぶつかってしまったりと、車の事故は誰の身にも起こり得るものです。いざ事故に遭うと、突然の出来事に冷静さを失い、どのように対応すれば良いのか分からなくなることが多いでしょう。しかし、正しい知識を持って冷静に対処することで、事故後の金銭的・精神的な負担を大きく軽減できます。この記事では、保険のプロが、万が一の事故の際に慌てずに、そして賢く保険を活用するための5つの重要事項を分かりやすく解説します。

この記事を通じて、事故直後の現場での適切な対応から、保険会社へのスムーズな連絡方法、公的な証明書である「交通事故証明書」の取得、そして複雑になりがちな「過失割合」の決定や示談交渉の進め方、さらにはご自身の車両修理や身体の治療、保険利用による等級への影響まで、一連の流れを理解できるようになります。これらの知識を身につけることで、不測の事態にも落ち着いて対処し、ご自身の権利を守りながら、損害を最小限に抑えることができるでしょう。

事故発生!まず現場でやるべき3つのこと【最優先事項】

交通事故は予測できないタイミングで発生し、その直後は誰でも動揺してしまうものです。しかし、事故直後の現場での適切な対応は、その後の手続きや解決に大きく影響する極めて重要なフェーズとなります。パニックに陥ることなく、落ち着いて行動できるよう、このセクションでは事故発生時に最優先で取り組むべき3つの事項を具体的に解説していきます。ここで紹介するステップを頭に入れておくことで、万が一の際にも冷静に対応し、スムーズな解決への第一歩を踏み出すことができるでしょう。

1. 負傷者の救護と安全確保

事故現場で最も優先すべきことは、何よりも人命の安全確保です。まず、ご自身や同乗者、そして相手方の負傷の有無を冷静に確認してください。もし、少しでも怪我人がいるようでしたら、直ちに119番通報し、救急車の出動を要請しましょう。目に見える外傷がなくても、身体に痛みを感じる場合は必ず専門医の診察を受けることが大切です。

負傷者の救護と並行して、二次被害を防ぐための安全確保も非常に重要です。後続車による追突事故を避けるため、まずはハザードランプを点灯させて周囲に事故が発生したことを知らせてください。もし発炎筒や停止表示器材を積んでいる場合は、事故車両の後方に設置し、他車の注意を促しましょう。また、可能であれば、車を安全な路肩や空きスペースに移動させることで、交通の流れを妨げず、さらなる事故の発生リスクを低減できます。車が動かせない場合でも、乗員はガードレールの外など安全な場所に避難し、事故車両に留まらないようにしてください。

2. 警察への通報(110番)と事故の届出

事故の大小や被害の程度にかかわらず、警察への通報(110番)は法律上の義務です。軽い接触事故だからといって警察を呼ばずに済ませようとすると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。警察に事故を届け出ることは、「交通事故証明書」を発行してもらうための大前提となり、この証明書がなければ保険会社への保険金請求ができません。相手方からその場での示談を持ちかけられても、決して応じず、必ず警察に連絡するようにしてください。

警察官が到着したら、冷静に事故の状況を説明しましょう。いつ、どこで、どのような事故だったのかを具体的に伝えてください。過失割合に関する意見の表明は、後の交渉に影響を及ぼす可能性があるため、現時点では控えめにし、事実のみを正確に伝えることが重要です。警察は事故状況を記録し、実況見分を行いますが、この記録が後の過失割合の判断や保険金請求の重要な証拠となります。この段階で感情的にならず、落ち着いて対応することが、円滑な解決につながります。

3. 相手方との情報交換と現場状況の記録

警察の到着を待っている間に、相手方との情報交換を行っておきましょう。交換すべき情報は多岐にわたりますが、特に以下の項目は必ず確認してください。相手方の氏名、住所、連絡先(電話番号)、運転免許証の情報、相手車両のナンバープレート、そして加入している自賠責保険および任意保険の会社名と証明書番号です。これらの情報は、後の保険会社とのやり取りや損害賠償請求において不可欠となります。

この際、その場で安易に非を認めたり、賠償を約束したりすることは絶対に避けてください。過失割合は、事故状況を総合的に判断して決定されるものであり、現場の感情的な判断で決めるべきではありません。保険会社を通じて専門的な見地から判断されるべき事項ですので、不用意な発言は後の交渉で不利になる可能性があります。

また、事故現場の状況をスマートフォンなどで写真撮影しておくことも非常に重要です。車両の損傷箇所、事故発生地点、ブレーキ痕、信号や一時停止の標識、道路の幅やカーブの状況、周囲の建物など、事故状況を客観的に示すあらゆるものを多角的に記録しておきましょう。これらの写真は、後の過失割合の判断材料としてだけでなく、保険会社への報告や修理の見積もりなど、さまざまな手続きで有効な証拠となります。可能であれば、時間帯を変えて光の当たり方なども記録しておくと、より詳細な情報となります。

知っておくべき重要事項1:保険会社への事故報告

事故現場での初期対応を終え、安全を確保し、警察への連絡と情報交換が終わったら、次の重要なステップはご自身の加入している保険会社への事故報告です。このセクションでは、いつ、何を、どのように保険会社に報告すべきか、その具体的な手順と注意点について詳しく解説します。保険会社への適切な報告は、その後のスムーズな事故処理と保険金請求の鍵となります。

連絡のタイミングと伝えるべき内容

保険会社への連絡は、可能な限り早く、できれば事故当日のうちに行うことが重要です。事故の発生から時間が経ってしまうと、記憶が曖昧になったり、状況証拠が失われたりする可能性があるため、事故直後の新鮮な情報を正確に伝えることが大切になります。多くの保険会社は24時間365日対応の事故受付窓口を設けていますので、夜間や休日であってもためらわずに連絡しましょう。

連絡する際は、以下の情報を手元に用意しておくとスムーズです。

  • 証券番号
  • 契約者名
  • 事故の日時と場所
  • 事故の具体的な状況(単独事故か、相手がいるかなど)
  • 相手方の情報(氏名、連絡先、車のナンバー、加入保険会社など)
  • 届け出た警察署の名称と連絡先
  • 自身の負傷の有無や車の損傷状況

これらの情報を正確に伝えることで、保険会社は初期対応を迅速に進めることができます。電話をする前に保険証券を準備し、メモを取りながら落ち着いて伝えるように心がけてください。

その後の流れと保険会社の役割

保険会社に事故報告をすると、まず事故内容の確認が行われ、担当者が決定されます。この担当者が、今後の一連の事故処理におけるあなたの窓口となり、様々なサポートを提供してくれます。保険会社の担当者は、事故の専門家として、契約者への適切なアドバイスはもちろんのこと、事故状況の詳しい調査、相手方やその保険会社との交渉、そして保険金の支払い手続きに至るまで、多岐にわたる業務を代行してくれます。

<p>たとえば、相手方との過失割合の交渉や損害賠償額の算定など、専門知識が必要となる複雑なプロセスも、保険会社の担当者が主導して進めてくれます。これにより、あなたが直接相手方とやり取りする精神的な負担を軽減し、専門家による適切な対応が期待できます。また、必要な書類の手配や手続きについても詳しく案内してくれるため、安心して事故解決に向けて進めることができるでしょう。</p>

あなたは、保険会社の担当者と密に連携を取り、事故に関する正確な情報を提供することが求められます。疑問点があれば遠慮なく質問し、状況を共有することで、より円滑な事故解決へと繋がります。

知っておくべき重要事項2:「交通事故証明書」の取得

交通事故が発生した後、様々な手続きを進める上で、事故の事実を公的に証明する書類が必要となります。その中でも特に重要なのが「交通事故証明書」です。このセクションでは、この証明書がなぜ必要とされ、どのように取得するのかについて、詳しく解説いたします。

なぜ必要?交通事故証明書の重要性

交通事故証明書は、事故が実際に発生したという事実を公的に証明する唯一の書類であり、事故後の手続きにおいて非常に重要な役割を担います。まず、自動車保険会社が保険金を支払う際には、この交通事故証明書が必須書類となります。保険会社は、証明書に記載された事故の内容や当事者の情報に基づいて、保険金の査定や支払い手続きを進めるため、これがなければ保険金を受け取ることができません。

<p>また、勤務先へ事故による欠勤を届け出る際や、休業損害を請求する際、さらには事故が原因で後遺障害が残った場合の申請など、多岐にわたる場面で交通事故証明書は事故の証拠として提出が求められます。これは、単に事故があったというだけでなく、いつ、どこで、どのような状況で事故が発生したのかを明確にし、当事者の関係性などを客観的に示す公的な資料となるためです。</p>

<p>このように、交通事故証明書は、被害者が適正な補償を受けるため、そして事故に関わる様々な法的手続きを円滑に進めるために不可欠なものです。現場での警察への届出が義務付けられているのは、この証明書が発行される大前提となるためであり、小さな事故であっても必ず警察に連絡しておくことが、後のトラブルを防ぐ上で非常に重要となります。</p>

交通事故証明書の申請方法と必要書類

交通事故証明書は、「自動車安全運転センター」を通じて申請し、取得することができます。申請方法には、主に「窓口申請」「郵送申請」「オンライン申請」の3種類がありますので、ご自身の都合の良い方法を選択してください。

窓口申請の場合は、最寄りの自動車安全運転センターの窓口に直接出向き、申請書に必要事項を記入して提出します。即日発行が可能な場合が多いですが、混雑状況によっては時間がかかることもあります。郵送申請は、自動車安全運転センターのウェブサイトから申請用紙をダウンロードするか、警察署や交番で申請用紙を入手し、必要事項を記入の上、センターに郵送します。オンライン申請は、同センターのウェブサイトから手続きが可能で、自宅から手軽に申請できるため便利です。いずれの申請方法でも、事故発生日時・場所、当事者の氏名・住所、届け出た警察署名などの情報が必要となりますので、事前に準備しておくとスムーズです。

申請には、所定の手数料(通常、一枚あたり500円から800円程度)がかかります。窓口申請では現金で、郵送申請やオンライン申請では郵便振替やクレジットカードなどで支払うことになります。申請後、証明書は郵送で送られてくることが一般的です。迅速な手続きのためにも、事故現場で警察官から交付される交通事故の「受付番号」を控えておくなど、必要な情報を正確に把握しておくことをおすすめいたします。

知っておくべき重要事項3:「過失割合」の決定と示談交渉

事故が発生して、負傷者の救護や警察への連絡といった初期対応が終わり、保険会社への報告も済んだら、次に進むのが「過失割合」の決定と「示談交渉」です。このプロセスは、誰がどれだけの責任を負うのか、最終的にいくらの賠償金が支払われるのかを左右する、非常に重要なステップとなります。ここでは、特に複雑に感じられることが多い過失割合の決め方や、保険会社を介した示談交渉の進め方について、詳しく見ていきましょう。

過失割合とは?どのように決まるのか

交通事故における「過失割合」とは、事故が発生したことについて、当事者それぞれにどの程度の責任があるかを、パーセンテージで示したものです。たとえば「過失割合80対20」であれば、8割の責任が一方に、2割の責任がもう一方にあるという意味になります。この割合が、最終的に受け取れる、または支払う賠償金の額に直結するため、非常に重要な要素となります。

過失割合は、事故当事者の感情やその場の印象で決められるものではありません。日本の交通事故における過失割合の決定には、過去の判例や蓄積された事故類型が参考にされます。特に、「判例タイムズ」や、通称「赤い本」と呼ばれる「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」といった専門書に記載されている基準が用いられることが一般的です。これらの資料には、さまざまな事故パターンに応じた基本的な過失割合が示されています。

具体的な例を挙げると、停止している車に後方から追突した事故の場合、特別な事情がない限り、追突した側の過失が100%、追突された側の過失が0%となるのが原則です。また、信号機のない交差点での右直事故など、状況によって異なるパターンも多くあります。ただし、事故の状況、たとえば一時停止の有無やスピード違反、脇見運転などによって、基本となる過失割合が修正されることもあります。

このように、過失割合の決定は、事故現場の状況、道路交通法上の優先関係、そして事故を予見・回避できた可能性など、多角的な観点から客観的に判断されるプロセスとなります。

保険会社を通じた示談交渉の進め方

交通事故後の示談交渉は、当事者同士が直接行うと感情的になりやすく、適切な解決が難しい場合が少なくありません。特に物損事故の場合、ほとんどのケースでご自身が加入している任意保険の担当者が、相手方との「示談交渉」を代行してくれます。これは、保険会社が交渉のプロとして、客観的な視点と専門知識をもって対応してくれるため、ご契約者様にとって大きなメリットとなります。

保険会社の担当者は、まず警察の事故調査や事故当事者からの情報、現場写真などを基に事故状況を詳細に確認します。その上で、前述した判例などを参考にしながら、妥当な過失割合を算出し、相手方または相手方の保険会社に提示します。この際、双方の主張に隔たりがある場合は、お互いの意見を調整し、合意形成に向けて交渉を進めていくことになります。

示談交渉をスムーズに進めるためには、ご自身の保険会社の担当者との連携が非常に重要です。事故の状況やご自身の認識を正確に伝え、質問には迅速に答えるように心がけましょう。また、相手方から直接連絡があった場合でも、ご自身の判断で安易に返答せず、まずは保険会社の担当者に相談し、指示を仰ぐことが大切です。専門家である保険会社に交渉を任せることで、精神的な負担を軽減し、より適切な解決へと導いてもらえるでしょう。

交渉がこじれた場合の対処法

多くの場合、保険会社が間に入ることで示談交渉は円滑に進みますが、双方の主張が大きく食い違ったり、過失割合で合意に至らなかったりして、交渉が難航することもあります。もし示談交渉がこじれてしまった場合には、当事者だけで抱え込まず、第三者の専門機関や専門家の力を借りることが解決への近道となります。

交渉が決裂した場合に考えられる選択肢としては、中立的な立場からのアドバイスや仲介を求める方法と、法的な手続きに進む方法があります。次の小見出しでは、具体的な対処法として、公的機関の利用と弁護士費用特約の活用について詳しく解説していきます。

交通事故相談センターに相談する

示談交渉がこじれてしまった際に活用できる有効な手段の一つが、中立的な立場から相談に応じてくれる「交通事故相談センター」の利用です。このセンターは、交通事故に関するさまざまな悩みや疑問に対し、専門家が無料で相談に乗ってくれる公的な機関です。

相談センターの大きなメリットは、同一事案につき原則として5回まで無料で面接相談を利用できる点にあります。ここでは、専門の相談員が事故の状況や保険の仕組みについて分かりやすく説明してくれるだけでなく、過失割合の考え方や示談交渉の進め方についても具体的なアドバイスを受けることができます。また、必要に応じて、当事者間の示談をあっせんしてくれるサービスも無料で提供されています。

示談あっせんの手続きを利用した場合、示談が成立しても、成功報酬や謝礼は一切不要です。相談者からは87%もの高い満足度評価を得ており、裁判に頼ることなく、当事者間の話し合いで円満な解決を目指したい場合に非常に有効な選択肢と言えるでしょう。

弁護士費用特約を活用する

もう一つの強力な解決策として、ご自身の自動車保険に付帯されている「弁護士費用特約」の活用が挙げられます。この特約は、交通事故に関する示談交渉や調停、裁判など、法的な手続きが必要になった際に発生する弁護士への相談費用や依頼費用を、保険会社が補償してくれるというものです。

多くの場合、300万円という補償限度額が設定されており、この範囲内であれば、費用の心配をすることなく弁護士に相談・依頼することができます。弁護士は、法律の専門家としてご自身の権利を守り、適切な過失割合の認定や賠償額の請求に向けて、相手方(または相手方の保険会社)と交渉を進めてくれます。

たとえご自身に過失がない事故(いわゆるもらい事故)であっても、ご自身の保険会社は相手方との交渉を代行できません。しかし、弁護士費用特約があれば、費用を気にせず弁護士に依頼できるため、このような場合でも心強い味方となります。ご自身の保険契約に弁護約費用特約が付帯しているかどうか、今一度確認してみることをお勧めします。交渉がこじれてしまった際の「切り札」として、非常に有効な選択肢となるでしょう。

知っておくべき重要事項4:保険を使った車の修理と治療

事故後の示談交渉と並行して進めることになるのが、車の修理やご自身の体の治療です。このセクションでは、事故によって生じた物理的な損害や身体的なダメージを回復するために、どのように保険を活用していくべきかについて詳しく解説いたします。

車の修理:車両保険を使うべきかの判断基準

ご自身の車の修理に車両保険を使うべきかどうかの判断は、多くの方が悩むポイントです。車両保険を使うかどうかの判断基準として、主に「修理費用の見積額」「保険の免責金額(自己負担額)」「保険使用による等級ダウンと翌年以降の保険料アップ額」の3つの要素を総合的に考慮する必要があります。

まず、修理費用の見積額が、加入している車両保険の免責金額(自己負担額)を大きく上回る場合は、車両保険の利用を検討する価値があります。免責金額とは、保険金が支払われる際に契約者が自己負担する金額のことで、たとえば修理費用が20万円で免責金額が5万円の場合、保険からは15万円が支払われます。

<p>しかし、修理費用が免責金額とほぼ同額、あるいは少し上回る程度のケースでは、車両保険を使わない方が最終的にお得になる可能性もあります。これは、車両保険を使うと翌年度の保険料が上がってしまうためです。保険を使うことでノンフリート等級が下がり、数年間は「事故有係数適用期間」が適用されることで保険料の割引率が低下し、トータルで見た保険料の増加額が、保険で受け取れる修理費を上回ってしまうことがあるためです。ご自身の保険会社に相談し、保険を使った場合と使わなかった場合の保険料シミュレーションをしてもらうのが賢明です。

身体の治療:人身傷害保険と自賠責保険の使い分け

交通事故でご自身が怪我をしてしまった場合、治療費を賄うために「自賠責保険」と「人身傷害保険」のどちらを使うべきか、あるいは両方をどのように活用すべきかという疑問が生じるかもしれません。これら二つの保険は目的と性質が異なります。

自賠責保険は、すべての自動車に加入が義務付けられている強制保険であり、主に相手方に対する補償として機能します。しかし、ご自身が事故の被害者となった場合、相手方の自賠責保険や任意保険から治療費が支払われることになります。ただし、過失割合が確定するまでに時間がかかったり、相手が無保険だったりするケースでは、治療費の支払いが遅れる可能性があります。

一方、人身傷害保険は、ご自身や同乗者が事故で死傷した場合に、過失割合に関わらず治療費や休業補償、精神的損害などを保険金額の範囲内で補償する任意保険です。この保険の最大のメリットは、過失割合の確定を待たずに、ご自身の保険会社から治療費を受け取れる点にあります。これにより、安心して治療に専念できるため、治療の遅れや中断といった心配をせずに済みます。まずはご自身の人身傷害保険を利用し、治療費の心配なく早期に治療を開始することをおすすめします。

知っておくべき重要事項5:保険を使った後の等級と保険料

自動車保険の保険料は、「ノンフリート等級制度」という仕組みで決まります。この等級は保険料の割引率に大きく影響し、事故を起こして保険を使うと、翌年以降の保険料が上がってしまう可能性があります。このセクションでは、等級制度の基本的な仕組みと、事故で保険を使った場合に保険料がどのように変化するのかについて詳しく解説します。

>等級ダウンの仕組みと翌年度の保険料への影響

自動車保険のノンフリート等級制度は、1等級から20等級まであり、等級が高いほど保険料の割引率が高くなる仕組みです。初めて保険に加入すると6等級からスタートし、無事故で保険を使わなかった場合は毎年1等級ずつ上がっていきます。例えば、20等級になると保険料は最大63%も割引されるため、等級が高いほど保険料の負担は軽くなります。

しかし、事故を起こして保険を使うと、原則として「3等級ダウン」します。さらに、保険を使ったことで「事故有係数適用期間」が適用され、数年間は無事故の場合よりも割引率が低い保険料が適用されることになります。例えば、15等級で事故を起こし保険を使った場合、翌年度は12等級にダウンするだけでなく、その後3年間は事故有係数による割増しが適用され、同じ等級の無事故の人よりも保険料が高くなるのです。

具体的な例を挙げると、車両保険を使って修理費用を50万円支払ってもらったとします。この場合、3等級ダウンと事故有係数適用によって、年間で数万円から十数万円、保険料が上がることが考えられます。この増加は数年にわたるため、保険を使ったことによる保険料の総額は、支払われた保険金よりも大きくなるケースも少なくありません。

保険を使うか迷った時の判断ポイント

事故の状況や修理費用によっては、保険を使うべきか自費で修理すべきか迷うこともあるでしょう。このような判断をする際には、「自費で支払う修理費用」と「保険を使ったことによる数年間の保険料の増加総額」を比較検討することが非常に重要です。例えば、車の修理費用が数万円で済む場合、保険を使うと翌年からの保険料が年間数万円上がることが数年間続くため、トータルで考えると自費で修理した方が経済的に得になるケースがあります。特に、免責金額(自己負担額)が設定されている場合は、その金額と修理費用を照らし合わせて判断することが大切です。また、人身傷害保険を使う場合、自分の過失割合にかかわらず補償が受けられますが、こちらも翌年度の保険料への影響を考慮に入れる必要があります。

もし判断に迷うようであれば、まずは加入している保険会社の担当者に相談し、具体的な保険料のシミュレーションを依頼してみるのが賢明です。修理費用や治療費の見積もりを提示した上で、保険を使った場合と使わなかった場合のトータルの費用を比較検討することで、ご自身にとって最適な選択ができるはずです。

まとめ:賢い保険活用で事故後の負担を最小限に

交通事故 対応

この解説を通じて、交通事故に遭った際にまず現場で何をすべきか、そしてその後の保険会社への報告、交通事故証明書の取得、過失割合の決定と示談交渉、そして保険を使った車の修理や治療に関する判断基準まで、保険のプロが教える重要なポイントを詳しく見てきました。

事故はいつ誰にでも起こりうる予期せぬ出来事ですが、今回の内容を参考に、適切な知識と準備があれば、事故後の混乱や不安を最小限に抑えることができます。特に、保険会社との円滑なコミュニケーション、交通事故証明書の重要性の理解、そして示談交渉における冷静な対応は、金銭的・精神的な負担を軽減するために非常に大切です。

また、ご自身の保険契約に弁護士費用特約が付帯しているかを確認し、万が一の際に備えておくことも賢明な選択と言えるでしょう。そして、今後の事故防止のためには、警視庁が提供している交通事故発生マップのような情報を活用して、交通量の多い場所や事故が頻発する地点を把握し、運転に一層注意を払うことも有効な対策となります。

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