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2025.11.20

【放置は危険】車のブレーキの違和感。原因とすぐできるチェック法

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車のブレーキの違和感。原因とすぐできるチェック法

「キーキー」という耳障りな金属音や、いつものペダルと違う「フカフカ」とした感触など、車のブレーキに何らかの違和感を覚えることはありませんか?その小さな異変は、実は重大な事故につながる前の「危険信号」かもしれません。多くの方が「もう少し様子を見ようか」と放置しがちですが、ブレーキの不調は走行中に突然、命に関わるトラブルを引き起こす可能性があるため、決して軽視してはいけません。この記事では、ブレーキに感じるさまざまな違和感の正体とその原因を特定し、ご自身で簡単にできる初期チェック方法から、万が一修理が必要になった場合の費用目安までを詳しく解説します。大切なご家族を乗せる車だからこそ、ご自身の車のブレーキが本当に安全であるか、この記事を通して一緒に確認していきましょう。

はじめに:ブレーキの違和感は重大な故障のサインかも

自動車の「走る」「曲がる」「止まる」という基本性能のうち、「止まる」を司るブレーキは、まさに車の安全を守る要とも言える最重要保安部品です。もしブレーキに不調があれば、思い通りに車を停止させることができず、制動距離が伸びて前の車に追突したり、最悪の場合には全くブレーキが効かなくなり、甚大な事故につながる危険性をはらんでいます。特に、お子様を乗せて走行される機会が多いドライバーの方であれば、ご家族の安全を預かる身として、ブレーキの異変には細心の注意を払う必要があります。

このコラムでは、車のブレーキに感じられる様々な違和感が、具体的にどのような故障や部品の劣化を示しているのかを、症状別に詳しく解説していきます。さらに、ご自身でできる初期チェック方法から、専門業者に修理を依頼する際の費用目安までを網羅的にご紹介し、ブレーキの異変にいち早く気づき、適切に対処するための知識を提供いたします。車のブレーキはドライバーや同乗者、そして周囲の安全を守る最後の砦です。小さな違和感も見過ごさず、早期に対処することの重要性を、改めて認識していただければ幸いです。

なぜブレーキの違和感を放置すると危険なのか?

ブレーキの違和感は、車からの「SOSサイン」であり、これを放置することは非常に危険です。その危険性は、単に運転がしづらくなるというレベルにとどまらず、ご自身や大切なご家族、そして周囲の人々の命に関わる重大な事態を引き起こす可能性があります。

まず、経済的なリスクとして挙げられるのが、ブレーキパッドの摩耗を放置した結果、ブレーキディスク(ローター)まで損傷してしまうケースです。初期の「キーキー」といった異音の段階で対処していれば、パッド交換のみで済んだはずが、放置することでパッドの摩耗材がなくなり、金属部分が直接ディスクを削ってしまいます。こうなると、高額なディスク交換が必要となり、修理費用が数万円から十数万円と跳ね上がる可能性も十分にあります。

次に、最も深刻なのが物理的なリスクです。ブレーキの不具合を放置すると、制動力が著しく低下します。普段と同じ感覚でブレーキを踏んでも車が思ったように減速せず、反応の遅れが致命的な事故に繋がることは想像に難くありません。特に、お子様を乗せて走行中に前方の車が急停止したり、交差点で人や自転車が飛び出してきたりといった緊急事態では、わずかな制動力の低下が間に合わない結果となり、追突事故や人身事故を引き起こしかねません。

さらに、高速道路での走行中や、長距離の下り坂でブレーキに連続して負荷がかかるような状況で、突然ブレーキトラブルが発生する危険性も無視できません。こうした状況では、一瞬の判断ミスや車の不調が、コントロール不能な状態に陥ることを意味します。ブレーキの違和感は「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにせず、安全のために即座に対応すべきサインであることを強く心に留めておく必要があります。

【症状別】車のブレーキに潜む違和感の正体と原因

ブレーキに感じる違和感は、「音」「振動」「踏み心地」といったさまざまな種類があります。これらの症状は、ブレーキシステムの異なる部品の異常を示唆していることが多いです。ここからは、それぞれの具体的な症状が、どのような部品の不具合によって引き起こされているのかを詳しく解説していきます。ご自身の車の症状と照らし合わせながら読み進めることで、早期に適切な対応をとる手助けになるかと思います。

症状1:ブレーキを踏むと「キーキー」「シャリシャリ」と金属音がする

車のブレーキを踏んだ時に「キーキー」と甲高い音がしたり、「シャリシャリ」と軽い金属音が聞こえたりすることは、多くのドライバーが経験することです。特に、ブレーキを踏み始めた瞬間や、緩やかに停止する際に聞こえやすいこの音は、一般的にブレーキパッドの摩耗が進んでいるサインであることが多いです。これは初期段階の警告音であり、早めの点検と対策が推奨されます。

原因:ブレーキパッドの摩耗

ブレーキパッドは、ブレーキディスク(ローター)を挟み込んで摩擦力を発生させ、車を減速・停止させる重要な部品です。このパッドには摩擦材が使われており、使用するたびに少しずつ摩耗していきます。多くのブレーキパッドには、摩耗が一定のレベルに達すると音を出す「パッドウェアインジケーター」という金属片が組み込まれています。

この金属片は、パッドの残量が少なくなるとブレーキディスクに接触し、「キーキー」という摩擦音を発生させる仕組みです。この音は「パッドの交換時期が近づいていますよ」という、車からの大切なメッセージです。この警告音を無視して走行を続けると、後述するようにさらに深刻な損傷へとつながる可能性があるので注意が必要です。

症状2:ブレーキを踏むと「ゴーゴー」と鈍い音がする

ブレーキを踏んだ際に、「キーキー」音ではなく「ゴーゴー」という鈍く、低い音が聞こえる場合は、さらに深刻な状況を示している可能性が高いです。この「ゴーゴー」という音は、ブレーキパッドが限界まで摩耗し、パッドの摩擦材がほとんどなくなっていることを示唆しています。このような音が聞こえたら、直ちに運転を中止し、専門の整備工場で点検を受けるべきです。そのまま走行を続けると、非常に危険な状態に陥る可能性があります。

原因:ブレーキパッドの限界摩耗とブレーキディスクの損傷

「ゴーゴー」という鈍い音の主な原因は、ブレーキパッドの摩耗材が完全に使い果たされ、パッドの土台である金属製のバックプレートが、直接ブレーキディスク(ローター)に接触している状態です。想像してみてください。金属同士が高速で擦れ合うことで、摩擦力は大きく低下し、本来の制動力を発揮できなくなります。

さらに、この状態が続くと、ブレーキディスクの表面が深く削れてしまい、ディスク自体も損傷してしまいます。ディスクは本来滑らかな鏡面状であるべきですが、バックプレートとの接触によって深い傷や溝が刻まれることになります。こうなると、ブレーキパッドだけでなく、高価なブレーキディスクの交換も必要となり、修理費用が大幅に高額になるため、早期の対応が非常に重要です。

症状3:ブレーキペダルや車体が振動する・ガタガタする

ブレーキを踏んだ時に、足に伝わるブレーキペダルからの振動や、車体全体が「ガタガタ」と揺れるような症状は、「ジャダー現象」と呼ばれます。特に高速走行からブレーキをかけた際に顕著に現れることが多く、ハンドルにも振動が伝わってくることがあります。これは単に乗り心地が悪いだけでなく、安定した制動を妨げ、非常に危険な状態である可能性があります。

原因:ブレーキディスクの歪みや損傷

ブレーキを踏んだ際の振動の主な原因は、ブレーキディスク(ローター)の歪みや表面の不均一な摩耗です。ブレーキディスクは、高温になることが多く、急ブレーキの多用や、熱くなったディスクが水たまりなどで急激に冷却されることで熱歪みが生じることがあります。また、ブレーキパッドが不均一に摩耗したり、異物が挟まったりすることで、ディスクの表面が波打つように摩耗することもあります。

ディスクが歪むと、ブレーキパッドがディスク全体に均一に接触できなくなり、ブレーキをかけるたびに「当たったり離れたり」を繰り返すことで振動が発生します。これは、回転する円盤が正確な円ではなく、わずかに楕円になったり、厚みが均一でなくなったりする状態とイメージすると分かりやすいでしょう。この状態を解消するためには、ブレーキディスクの表面を削って平らにする「研磨」を行うか、損傷がひどい場合は「交換」が必要になります。

症状4:ブレーキの効きが悪い・ペダルが深く沈む

ブレーキペダルを深く踏み込んでも車がなかなか止まらない、あるいはペダルが「フカフカ」してスポンジを踏むような感触があり、床まで沈み込んでしまうような症状は、非常に危険なサインです。このような「ブレーキの効きの悪さ」や「ペダルの踏みごたえの異常」は、ブレーキシステム内の油圧系統に重大な問題が発生している可能性を示唆しており、一刻も早い点検が必要です。

原因:ブレーキオイルの劣化やエア混入、部品の不具合

ブレーキの効きが悪い、ペダルが深く沈むといった症状の主な原因は複数考えられます。まず一つ目は、ブレーキオイル(ブレーキフルード)の劣化です。ブレーキオイルは吸湿性があり、空気中の水分を吸収して劣化が進みます。水分を多く含んだオイルは沸点が下がり、ブレーキの熱で気泡が発生しやすくなります。この気泡が油圧の伝達を阻害し、ペダルがフカフカになる「ベーパーロック現象」を引き起こします。

二つ目は、ブレーキライン内への空気の混入です。ブレーキホースや配管の破損などから空気がシステム内に入り込むと、油圧が正常に伝わらなくなり、ペダルが深く沈む原因となります。空気は圧縮されるため、踏み込んだ力がブレーキに伝わりにくくなるのです。三つ目は、油圧を発生させるマスターシリンダーや、各車輪のブレーキキャリパー内部のピストンシールなど、重要な部品の故障です。これらの部品に不具合が生じると、油圧が適切に発生しなかったり、漏れてしまったりして、ブレーキの効きが悪くなります。いずれのケースも専門的な診断と修理が不可欠です。

症状5:ブレーキペダルが重い・硬い、または戻りが悪い

普段よりも強い力でブレーキペダルを踏み込まないと車が減速しない、「ペダルが重い」「ペダルが硬い」と感じる症状、あるいは一度踏んだペダルが元の位置にスムーズに戻ってこない「戻りが悪い」という症状は、ブレーキシステムの機械的な部分や倍力装置に異常がある可能性を示しています。これらの症状も、安全な運転に支障をきたすため、見過ごすことはできません。

原因:ブレーキブースターの故障やキャリパーの固着

ブレーキペダルが重く硬く感じる主な原因の一つに、「ブレーキブースター(倍力装置)」の故障が挙げられます。ブレーキブースターは、エンジンの負圧を利用して、ペダルを踏む力を増幅させることで、軽い力で強い制動力を得られるようにする装置です。この装置に不具合があると、ペダルが極端に重くなり、ブレーキをかけるのに大変な労力が必要になります。

もう一つの原因として考えられるのが、各タイヤのブレーキキャリパーの固着です。ブレーキキャリパーは、ブレーキパッドをディスクに押し付けて制動力を発生させる部品ですが、内部のピストンが錆び付いたり、ゴム製のシールが劣化したりすることで固着してしまうことがあります。これにより、ブレーキパッドがディスクから十分に離れず、「引きずり」と呼ばれる状態になったり、ペダルの戻りが悪くなったりします。引きずりが起こると、燃費の悪化や異音の原因にもなります。

自分でできる!車のブレーキ異常の簡単チェック法

運転中にブレーキに何らかの違和感を覚えた際、プロの整備士に見てもらうのが一番確実な方法です。しかし、すぐに整備工場に行けない状況や、まずは自分で簡単な状態を確認したいと考える方もいらっしゃるでしょう。ここでは、ご自身でできる車のブレーキ異常の初期チェック方法をご紹介します。

これらのチェック方法はあくまで簡易的なものであり、正確な診断は専門家が行う必要があります。少しでも異常を感じたり、不安が残る場合は、必ず整備工場やディーラーに相談してください。また、チェックを行う際は、必ず安全な場所で、周囲の状況に配慮し、エンジンを停止した状態で行うようにしましょう。

チェック1:停止状態でブレーキペダルの踏みしろを確認する

ブレーキペダルの踏みしろ(踏み込んだ時の深さ)の確認は、ブレーキシステムの油圧系統や倍力装置の状態を知る上で重要な手がかりとなります。以下の手順で確認してみましょう。

①エンジン停止状態でペダルを数回踏む:

まずはエンジンがかかっていない状態で、ブレーキペダルを強く数回踏み込みます。この時、ペダルが徐々に硬くなり、それ以上踏み込めなくなることを確認してください。これは、ブレーキブースター(倍力装置)内の負圧を抜く作業です。

②ペダルを踏んだままエンジンを始動し、ペダルが引き込まれるか確認:

ペダルを強く踏み込んだままの状態でエンジンを始動します。正常な状態であれば、エンジン始動と同時に「スッ」とペダルが奥に少し引き込まれるような感触があるはずです。これは、ブレーキブースターが正常に作動し、ペダルの踏力を補助し始めた証拠です。もしこの引き込まれる感触がない場合は、ブースターに異常がある可能性があります。

③エンジンをかけたままペダルを強く踏み込み、踏みしろを確認:

エンジンがかかった状態で、もう一度ブレーキペダルを強く踏み込みます。この時、ペダルが床までべったりと沈んでしまわないか、また、踏み込んだ時にフカフカとしたスポンジのような感触がないかを確認します。正常なブレーキであれば、ペダルを踏み込んだ時に、床との間に十分な隙間が残り、しっかりとした踏み応えがあるはずです。もし、ペダルが奥まで沈み込んだり、フカフカした感触がある場合は、ブレーキオイルの劣化やエア噛み、または油圧系統の部品に不具合がある可能性が高いです。

これらのチェックで異常が見られる場合は、早めに専門家による点検が必要です。

チェック2:ブレーキオイルの量と色を確認する

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、ブレーキシステム内で油圧を伝える重要な役割を担っています。このオイルの量や状態を確認することで、ブレーキシステムの異常を早期に発見できることがあります。

①リザーバータンクの位置を確認:

まず、ボンネットを開け、ブレーキオイルのリザーバータンクを探します。このタンクは通常、運転席側のエンジンルーム奥の方に設置されており、半透明のプラスチック製で、キャップには「BRAKE FLUID」などの表示があります。

②オイルの量を確認:

タンクの側面には「MAX(上限)」と「MIN(下限)」の目盛りが刻印されています。オイルの量がこの2つの目盛りの間にあるかを確認しましょう。もし「MIN」を下回っている場合は、ブレーキパッドの摩耗が進んでいるか、ブレーキラインからオイル漏れを起こしている可能性があり、非常に危険な状態です。早急に専門家に見てもらう必要があります。

③オイルの色を確認:

次に、タンクの中を覗き込み、ブレーキオイルの色を確認します。新品のブレーキオイルは、透明に近い薄い黄色をしていますが、使用に伴って水分を吸収したり劣化したりすると、茶色や黒色に濁ってきます。オイルが明らかに濁っている場合は、交換時期を迎えている可能性が高いです。劣化が進むとブレーキ本来の性能が発揮されなくなるだけでなく、ベーパーロック現象などの原因にもなるため、定期的な交換が推奨されます。

オイル量の異常な減少や、著しい色の濁りが見られる場合は、放置せずに整備工場で点検を受けましょう。

チェック3:パーキングブレーキの引きしろ(踏みしろ)を確認する

パーキングブレーキ(駐車ブレーキ)は、坂道での駐車時などに車が動かないように固定するための重要な装置です。このパーキングブレーキの効き具合を示す「引きしろ(レバー式の場合)」や「踏みしろ(ペダル式の場合)」を確認することで、ワイヤーの伸びや調整の必要性を判断できます。

①ハンドブレーキ(レバー式)の場合:

ハンドブレーキレバーをゆっくりと上に引き上げていきます。この際、「カチカチ」というノッチ音の回数を数えてください。車種によって適正なノッチ数は異なりますが、一般的には5回から8回程度が目安とされています。もし、レバーをかなり高い位置まで引かないとロックがかからない、またはノッチ数が極端に多い場合は、パーキングブレーキワイヤーが伸びていたり、調整が必要なサインです。

②フットブレーキ(ペダル式)の場合:

足で踏み込むタイプのパーキングブレーキの場合は、ペダルを一番奥まで踏み込んだ時の深さ(踏みしろ)を確認します。正常な状態であれば、ペダルは適度な深さでロックされ、それ以上踏み込めない感触があります。もし、ペダルが床に近づくまで深く踏み込めてしまう場合は、ワイヤーの伸びや調整が必要な可能性があります。

パーキングブレーキの引きしろや踏みしろが適正範囲を超えていると、駐車時の安全性が損なわれるだけでなく、車検にも通らない場合があります。異常を感じたら、整備工場で点検・調整を依頼しましょう。

修理内容ごとの費用相場

ブレーキ修理にかかる費用は、車の種類(軽自動車、国産普通車、輸入車など)や損傷の程度、さらには依頼する業者によって大きく変動します。ここでご紹介する金額はあくまで一般的な目安であり、正確な費用を知るためには必ず複数の業者から見積もりを取るようにしてください。部品代と工賃を合わせたおおよその金額を提示することで、皆様が修理の予算を立てる際の参考にしていただければ幸いです。

ブレーキパッド交換

ブレーキパッドは消耗品の中でも特に交換頻度が高い部品です。その費用相場は車種によって異なりますが、目安としては以下のようになります。

軽自動車:フロント左右で10,000円~20,000円程度、リア左右で8,000円~18,000円程度

国産普通車:フロント左右で15,000円~30,000円程度、リア左右で12,000円~25,000円程度

輸入車:フロント左右で20,000円~50,000円程度、リア左右で18,000円~40,000円程度

これには部品代と工賃が含まれます。ブレーキパッドの種類(ノーマル、スポーツタイプなど)や、ディスクローターの同時交換が必要な場合は、費用がさらに高くなることがあります。

ブレーキディスク(ローター)交換・研磨

ブレーキディスク(ローター)は、ブレーキパッドが接触する部品であり、歪みや深い傷が生じた場合には交換または研磨が必要です。交換の場合はパッドと同時に行うことが多く、部品代が高額になる傾向があります。目安としては、片側1枚あたり10,000円~30,000円程度(国産普通車の場合)です。

ディスクの歪みが軽度で厚みが十分にある場合は、研磨によって再利用できることがあります。研磨の費用相場は、片側1枚あたり5,000円~10,000円程度で、交換よりも安価に済む選択肢となります。ただし、研磨にはディスクの厚み制限があるため、損傷の程度によっては交換が必須となります。

ブレーキオイル交換

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、車検ごと(一般的に2年ごと)の交換が推奨されています。これは、ブレーキオイルが空気中の水分を吸収しやすく、劣化すると沸点が低下して「ベーパーロック現象」を引き起こす危険性があるためです。交換にかかる費用相場は、工賃込みで5,000円~10,000円程度が一般的です。

使用するブレーキオイルの種類(DOT3, DOT4, DOT5.1など)によっても価格が変動する可能性があります。高性能なオイルほど価格は上がりますが、スポーツ走行など過酷な条件下で使用する場合は、こうした高性能オイルを選ぶメリットも大きいです。

ブレーキキャリパーのオーバーホール・交換

ブレーキキャリパーは、ブレーキパッドをディスクに押し付ける重要な部品であり、固着やオイル漏れが発生した場合は修理が必要です。修理方法としては、内部のゴムシールなどを交換する「オーバーホール」と、キャリパー自体を新品またはリビルト品(再生品)に交換する2つのパターンがあります。

オーバーホールの費用目安は、片側15,000円~30,000円程度で、部品交換よりも経済的な場合が多いです。しかし、キャリパー本体に大きな損傷がある場合は交換が必要となり、片側25,000円~50,000円程度と高額になる傾向があります。特に輸入車の場合、部品代が高いため、さらに費用がかさむこともあります。

ブレーキの寿命を延ばし、安全を保つための日常メンテナンス

ブレーキは車の安全を司る最も重要なパーツの一つですが、その寿命は日々の運転習慣や適切なメンテナンスによって大きく変わってきます。ここでは、ブレーキトラブルを未然に防ぎ、高額な修理費用を抑えながら安全なカーライフを送るための日常的なケアや運転のコツをご紹介します。プロによる定期点検と、ドライバーご自身が意識できる運転方法を組み合わせることで、ブレーキシステムの性能を最大限に引き出し、安心感を高めることができるでしょう。

定期的なブレーキ点検を欠かさない

車のブレーキは、日々の安全を支える要です。そのため、法定点検である車検時だけでなく、12ヶ月点検などの定期的なプロによる点検を欠かさないことが非常に重要です。これらの点検では、ブレーキパッドの残量、ブレーキディスクの摩耗具合、ブレーキオイルの量や劣化状態、さらにはブレーキホースの亀裂や損傷がないかなど、多岐にわたる専門的なチェックが行われます。

ご自身では気づきにくい初期段階の不具合や、摩耗の進行状況を正確に把握できるため、重大な故障につながる前に適切な処置を施すことが可能です。点検を「車の健康診断」と捉えることで、予期せぬトラブルを回避し、結果的に修理費用を抑えることにも繋がります。定期的な点検は、ご自身や大切なご家族の命を守るための、最も費用対効果の高い投資と言えるでしょう。

運転時にできるブレーキへの配慮(急ブレーキの回避、エンジンブレーキの活用)

ブレーキパッドやディスクの寿命を延ばし、常に高い制動性能を保つためには、日頃の運転の仕方も大きく影響します。特に重要なのは、急ブレーキを極力避け、エンジンブレーキを積極的に活用することです。

まず、十分な車間距離を保ち、常に周囲の交通状況を予測する運転を心がけましょう。これにより、前方の車の動きや信号の変化に余裕を持って対応でき、不必要な急ブレーキを踏む回数を大幅に減らすことができます。急ブレーキは、ブレーキパッドとディスクに大きな摩擦と熱を生じさせ、摩耗を早める原因となります。

次に、下り坂や高速道路での減速時には、積極的にエンジンブレーキを活用してください。シフトダウンすることでエンジンの回転抵抗を利用して減速する方法は、フットブレーキだけに頼るよりもブレーキシステムへの負担を軽減し、過度な加熱を防ぎます。特に長い下り坂では、フットブレーキの使いすぎによる「フェード現象」(ブレーキが効かなくなる現象)を防ぐためにも、エンジンブレーキの活用は欠かせません。これらの運転の工夫は、安全運転に繋がるだけでなく、結果的にブレーキ部品の寿命を延ばし、ランニングコストの削減にも貢献します。

まとめ:ブレーキの違和感は車からのSOS!早めの点検で家族の安全を守ろう

ブレーキパッドの摩耗による「キーキー」音から、ディスクの歪みによる振動、さらにはブレーキオイルの劣化や油圧系統の異常による効きの悪さまで、さまざまな症状とその原因を知ることで、愛車が発する危険信号をいち早く察知できるようになります。また、自分でできる簡単なチェック方法を試すことで、異常の早期発見にもつながるでしょう。

しかし、ご自身でのチェックはあくまで初期段階の確認に過ぎません。少しでも違和感を覚えたり、不安を感じたりした場合は、決して放置せず、お近くのディーラーや信頼できる自動車整備工場、カー用品店などの専門家に迷わず相談してください。早期の点検と適切な修理は、修理費用を抑えるだけでなく、何よりも大切なご自身や同乗するご家族、そして他の交通参加者の安全を守ることに直結します。

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