はじめに:車検制度の大きな変化
2025年は車検にとって歴史的な年となりました。2025年4月1日より道路運送車両法施行規則の改正により、車検の受検可能期間が「有効期間満了日の1ヶ月前」から「2ヶ月前」へと大幅に拡大されたのです。

この変更により、年度末の混雑緩和や自動車整備士の働き方改善が期待されています。国土交通省によると、これまで1ヶ月以上前に受検すると有効期間がムダになっていた問題が解決され、より柔軟な車検受検が可能になりました。
車検とは何か?制度の基本を理解する
車検の正式名称と目的
車検とは「自動車検査登録制度」の略称で、車両が道路運送車両法で定められた保安基準を満たしているかを確認する公的な検査制度です。
車検の主な目的:
- 車両の安全性確保(ブレーキ、ライト、タイヤ等の点検)
- 環境性能の維持(排気ガス規制への適合確認)
- 公道走行の適格性判定
車検の有効期間
- 新車(初回車検): 登録から3年後
- 継続車検: 2年ごと(商用車など一部例外あり)
- 軽自動車: 普通車と同じ期間
重要な変更点: 2025年4月以降、10年を超えた車両でも原則として2年ごとの車検期間は変わりません。
2025年車検制度改正の詳細解説
受検可能期間の拡大
改正前: 有効期間満了日の1ヶ月前〜満了日まで 改正後: 有効期間満了日の2ヶ月前〜満了日まで
この変更により、以下のメリットが生まれました:
- 有効期間の無駄がなくなる:2ヶ月前に受検しても次回満了日は現在の満了日から起算
- 年度末混雑の回避:3月の集中を分散化
- 計画的な受検:余裕を持った整備・修理が可能
自動車整備業界への影響
この制度改正は整備業界の働き方改革にも大きく寄与しています。繁忙期の分散により、より丁寧な整備作業が期待できるとされています。
2025年車検費用の完全ガイド
車種別法定費用一覧表
車種 | 重量 | 法定費用(13年未満) | 法定費用(13年以上) |
---|---|---|---|
軽自動車 | 全車 | 25,940円〜 | 27,340円〜 |
小型乗用車 | 〜1.0t | 35,650円〜 | 42,650円〜 |
中型乗用車 | 〜1.5t | 50,000円〜 | 53,450円〜 |
大型乗用車 | 〜2.0t | 60,000円〜 | 64,850円〜 |
車検費用の内訳詳細
1. 法定費用(どこで受けても同額)
- 自動車重量税: 車重・年式により変動(エコカー減税対象車は減免あり)
- 自賠責保険料: 24ヶ月分 約17,650円(普通車)
- 印紙代: 認証工場2,200円、指定工場1,600円
2. 車検基本料金(業者により変動)
- ディーラー: 40,000円〜60,000円
- 車検専門店: 20,000円〜40,000円
- ガソリンスタンド: 15,000円〜35,000円
- ユーザー車検: 0円(自分で受検)
3. 整備・修理費用(車両状態により変動)
- 消耗品交換、故障修理など
費用相場比較(総額)
車種 | ディーラー | 車検専門店 | ガソリンスタンド |
---|---|---|---|
軽自動車 | 8万〜12万円 | 6万〜9万円 | 5万〜8万円 |
普通車(〜1.5t) | 12万〜18万円 | 9万〜14万円 | 8万〜12万円 |
出典:ENEOSモビリニア ロテールサポート部 独自調査
車検の流れと必要書類
標準的な車検の流れ
- 事前見積もり・予約
- 複数業者での比較検討
- 予約日時の調整
- 必要書類の準備
- 車検証(自動車検査証)
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書 ※
- 印鑑(認印可)
- 車両持込・受付
- 予約日時に指定工場へ
- 検査・整備実施
- 法定24項目の点検
- 不具合箇所の整備・修理
- 検査合格・書類更新
- 新しい車検証・検査標章の交付
※2023年1月から軽自動車も対象となり、普通車・軽自動車ともに、納税状況がオンラインで電子的に確認できるようになったため、原則として紙の納税証明書の提示は不要です。 ただし、以下のケースでは引き続き証明書が必要になる場合があります。
- 納税直後(システムへの反映に時間がかかるため)
- 市区町村や金融機関の窓口以外(コンビニのレジ等)で納税した場合
- 中古車購入直後や引っ越し直後など
2024年10月追加:OBD検査
2024年10月1日より、OBD検査が新たに車検項目に追加されました。これは車両の電子制御システムの診断を行う検査で、一部の新しい車種を対象に義務化されています。
車検でチェックされる重要項目
安全性に関わる主要検査項目
1. 制動装置(ブレーキ)
- ブレーキペダルの遊び・踏み代
- ブレーキの効力測定
- パーキングブレーキの効力
2. 灯火装置
- ヘッドライト光量・光軸測定
- 各種ランプの点灯確認
- ウインカーの作動確認
3. タイヤ・ホイール
- タイヤ溝深度(1.6mm以上必要)
- タイヤの亀裂・損傷確認
- ホイールの変形・損傷
4. 排出ガス・騒音
- CO・HC濃度測定
- 騒音レベル測定
- OBD検査(対象車両のみ)
「これらの検査項目は単なる形式的なチェックではなく、実際の交通事故を未然に防ぐ重要な安全確保手段」とされています。
車検を安く抑える実践的な方法
事前準備による節約術
1. 複数見積もりの取得
- 最低3社での比較検討
- インターネット予約割引の活用
2. 日常メンテナンスの徹底
- エンジンオイル定期交換
- タイヤ空気圧の管理
- 各種ランプの電球交換
3. 時期選択による節約
- 2025年制度改正を活用し、3月を避けた受検
- 平日受検による割引サービス利用
業者選択のポイント
ディーラー車検のメリット
- メーカー純正部品使用
- 車種専門知識の豊富さ
- アフターサービスの充実
車検専門店のメリット
- コストパフォーマンスの良さ
- 作業スピードの速さ
- 土日祝日対応
「信頼できる整備士の選択が最も重要。国家資格保有者で、作業スペースが整理整頓されている工場を選ぶべき」と助言しています。
よくある質問と専門家回答
Q1: 車検切れの車はどうなりますか?
A: 車検切れの車両は公道走行が違法となり、違反すると「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。また、自賠責保険も切れている場合はさらに重い罰則があります。
Q2: 車検の有効期限ギリギリでも大丈夫?
A: 2025年制度改正により2ヶ月前から受検可能になったため、計画的な受検をお勧めします。ギリギリだと整備に時間がかかった場合、車検切れのリスクがあります。
Q3: 他県で車検を受けても問題ない?
A: 全国どこでも受検可能です。ただし、車検後の継続的なメンテナンス関係を考慮し、通いやすい場所を選ぶことが重要です。
まとめ:2025年の車検は計画的に
2025年の車検制度改正は、私たちドライバーにとって大きなメリットをもたらしました。2ヶ月前からの受検可能期間拡大により、より計画的で余裕のある車検受検が実現できます。
重要なポイント:
- 制度改正を活用した早期予約
- 複数業者での費用比較
- 信頼できる整備士・工場の選択
- 日常メンテナンスによる費用削減
車検は単なる法的義務ではなく、あなたと大切な人の安全を守る重要な制度です。専門家も強調するように、「車検による早期不具合発見は、重大事故を未然に防ぐ最も効果的な方法」なのです。
2025年の新制度を最大限活用し、安全で経済的なカーライフを送りましょう。
最終更新日:2025年10月1日
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